洗濯機に水が溜まらない、あるいは逆に水が溢れそうになるまで給水が止まらないといった場合、「水位センサー」の異常が原因となっている可能性があります。水位センサーは、洗濯槽内にどれくらいの水が溜まっているかを検知し、設定された水位に達したら給水を停止させ、次の工程(洗い、すすぎなど)に進むよう制御する、洗濯機の「目」とも言える重要な部品です。この水位センサーが正常に機能しなくなると、様々な給水トラブルを引き起こします。水位センサーが故障し、「実際には水が溜まっていないのに、満水だと誤検知」してしまうと、洗濯機は給水をすぐに停止してしまいます。その結果、「水が溜まらない」という症状が現れます。スタートボタンを押しても、ほんの少し水が出ただけですぐに止まってしまう、といったケースがこれに該当する可能性があります。逆に、「水が溜まっているのに、まだ足りないと誤検知」してしまうと、給水が延々と止まらなくなり、最悪の場合、洗濯槽から水が溢れてしまう危険性があります。これは「水が溜まりすぎる」という症状ですが、これも水位センサーの異常が原因です。水位センサーが故障する原因としては、センサー自体の経年劣化や、センサーにつながるチューブ(エアチューブや水位チューブと呼ばれる)の詰まりや外れ、折れ曲がりなどが考えられます。多くの洗濯機では、洗濯槽の水位が上がると、このチューブ内の空気圧が変化し、その圧力をセンサーが検知することで水位を判断しています。そのため、チューブに穴が開いていたり、ゴミや洗剤カスで詰まっていたりすると、正確な水位を検知できなくなってしまうのです。また、制御基板との接続不良や、基板自体の故障が原因となることもあります。水位センサーの異常が疑われる場合、まずチューブの状態を確認してみることは可能ですが、センサー本体や基板の修理・交換は専門的な作業となります。取扱説明書にエラーコードに関する記載があれば、それを確認するのも有効です。もし水位センサー関連のエラーが表示されている場合や、給水の状況が明らかにおかしいと感じる場合は、メーカーのサポートセンターや専門の修理業者に相談し、点検を依頼するのが賢明です。

投稿者 H9QNoPdCBUYJ