洗濯機のスタートボタンを押すと「ウィーン」という音はするのに、一向に水が出てこない。蛇口は開いているし、ホースにも問題はなさそう…。そんな時に疑われるのが「給水弁」の故障です。給水弁は、洗濯機内部で水の入口を制御している電磁弁の一種で、洗濯プログラムからの電気信号を受けて弁を開閉し、洗濯槽への給水を開始・停止させる重要な役割を担っています。この給水弁が故障すると、信号を受け取っても弁が開かず、水を取り込むことができなくなってしまいます。給水弁が故障する原因としては、まず経年劣化が挙げられます。長年使用していると、内部のコイルが断線したり、弁を開閉させるためのプランジャー(可動部品)やゴムパッキンが摩耗・劣化したりして、正常に作動しなくなることがあります。また、水道水に含まれるミネラル分やサビなどが弁の内部に付着・固着し、動きを妨げてしまうこともあります。さらに、電気系統のトラブル、例えば制御基板からの信号が正常に送られていない、あるいは給水弁自体の電気回路に問題があるといったケースも考えられます。給水弁の故障かどうかを判断する一つの目安として、給水が始まろうとするタイミングで「カチッ」という小さな作動音がするかどうかを確認する方法があります。この音がしない場合は、給水弁に電気が来ていないか、弁自体が作動していない可能性が高いと考えられます。ただし、音だけで確実に判断できるわけではありません。給水弁の故障が疑われる場合、残念ながら利用者自身での修理は非常に困難です。内部部品の交換や電気系統のチェックには専門的な知識と技術が必要となるため、無理に分解しようとすると感電のリスクや、他の部品を破損させてしまう可能性があります。給水弁の故障が濃厚だと判断される場合は、速やかにメーカーのサポートセンターや専門の修理業者に連絡し、点検・修理を依頼するのが最も安全で確実な方法です。プロによる診断で原因を特定し、適切な処置をしてもらうことが、洗濯機を再び使えるようにするための近道となります。

投稿者 H9QNoPdCBUYJ