ある日の夜、シャワーを使おうとしたら、なんだか水の勢いが弱いことに気づきました。フィルターでも詰まっているのかなと思い、シャワーヘッドを掃除しようと考えました。そのためにはまず止水栓を閉めなければなりません。普段全く触ることのない、壁に埋め込まれたマイナス溝の止水栓。マイナスドライバーを当てて、ぐっと力を込めたのですが、びくともしません。あれ、逆方向に回してる?いや、閉める方向はこれで合っているはず。もう一度、今度は全体重をかけるように力を入れましたが、それでも全く動きません。まるで岩のように固まっています。焦りました。シャワーヘッドの掃除ができないだけでなく、もし今後水漏れなどの緊急事態が起きたらどうしよう、と不安がよぎります。インターネットで「シャワー 止水栓 回らない」と検索すると、同じような経験をしている人がたくさんいることがわかりました。原因は水垢や錆による固着が多いようです。書かれていた対処法を参考に、まずはドライバーの柄の部分を軽く叩いて振動を与えてみました。しかし、変化なし。次に、ドライヤーで温めてみましたが、これも効果なし。最後の手段として、家にあった浸透潤滑剤を溝に少量吹き付けてみました。数分待ってから、祈るような気持ちで再度ドライバーを回します。すると、最初に比べてほんの少しだけ、本当にわずかですが、動いたような感覚がありました。希望が見えた気がして、何度か力を入れたり緩めたりを繰り返していると、ついに「ギギギ」という鈍い音とともに、止水栓がゆっくりと回り始めました。固着が剥がれた瞬間です。無事に水を止めることができ、心底ほっとしました。この経験から、止水栓は定期的に少し動かしておくことが固着防止につながると学びました。そして、無理だと思ったら早めに専門家を頼ることの重要性も痛感しました。もしあのまま力任せに回そうとしていたら、配管を壊していたかもしれません。たかが止水栓、されど止水栓。日頃のちょっとしたメンテナンスが、いざという時に自分を助けてくれるのだと実感した出来事でした。

投稿者 H9QNoPdCBUYJ