シャワーの修理や交換をしようと思った時、まず行うべき作業が止水栓を閉めることです。しかし、いざ回そうとしたら固くて全く動かない、という状況に直面することがあります。こんな時、慌てて力任せに回そうとするのは非常に危険です。間違った対処は、部品の破損や水漏れといった、より深刻なトラブルを引き起こしかねません。まず試していただきたいのは、適切な工具を使うことです。止水栓の溝のサイズに合ったマイナスドライバーを選びましょう。サイズが合っていないと、溝を潰してしまい、ますます回しにくくなります。工具をしっかり溝に当て、ゆっくりと体重をかけるように力を加えてみてください。この時、一気に力を入れるのではなく、じわっと圧力をかけるのがポイントです。それでも動かない場合は、固着が原因である可能性が高いです。長年の水垢や錆が内部で固まっているのです。軽い固着であれば、ドライバーの柄をゴムハンマーなどで軽くコンコンと叩き、振動を与えることで緩むことがあります。金属ハンマーで強く叩くと破損の原因になるため、あくまでも軽く、振動を与える程度に留めてください。また、ドライヤーで止水栓の周りを少し温めるのも有効な場合があります。金属は熱でわずかに膨張するため、固着が剥がれるきっかけになることがあります。ただし、火傷や樹脂部品の変形には十分注意し、温めすぎないようにしましょう。これらの方法を試しても効果がない場合、浸透性の高い潤滑剤を使用する方法もあります。止水栓の隙間に少量スプレーし、数分から数十分待ってから再度回してみてください。潤滑剤が固着部分に浸透し、滑りを良くしてくれる効果が期待できます。しかし、これらのセルフケアで解決しない場合は、無理は禁物です。特に、古い住宅や配管の状態が不明な場合は、専門の水道業者に相談することをお勧めします。業者は専用の工具や知識を持っており、安全かつ確実に問題を解決してくれます。費用はかかりますが、自分で対処して事態を悪化させるリスクを考えれば、賢明な判断と言えるでしょう。