水またはお湯のどちらか一方だけを出すことができる、最もシンプルな構造の蛇口が「単水栓」です。ハンドルが一つしかなく、そのハンドルをひねることで水の量を調節するという、非常に分かりやすい仕組みになっています。公園の水道や、学校の手洗い場、屋外の立水栓などでよく見かける、最も古典的で基本的な蛇口の形と言えるでしょう。その構造は、ハンドルを回すと内部のコマパッキンが上下し、水の通り道を開閉するという単純明快なものです。このシンプルさゆえに、故障が非常に少なく、耐久性が高いのが最大のメリットです。万が一、蛇口の先端からポタポタと水漏れが起きても、その原因はほぼ100%内部のコマパッキンの劣化であり、数百円の部品を交換するだけで、誰でも簡単に修理することができます。価格も非常に安価で、ホームセンターなどで数千円程度から購入可能です。用途としては、温度調節が必要ない場所に幅広く使われています。前述の屋外の立水栓や散水栓をはじめ、洗濯機用の蛇口、ベランダの掃除用スロップシンク、そして一部の賃貸物件のキッチン(湯沸かし器が別にある場合)などで今なお現役で活躍しています。最近では、そのシンプルな機能美が見直され、デザイン性の高い単水栓も増えてきました。例えば、洗面所にあえてモダンなデザインの単水栓と、おしゃれなベッセル型の手洗いボウルを組み合わせることで、ホテルのような洗練された空間を演出することも可能です。また、センサーで自動的に水が出る「自動単水栓」は、衛生的であることから、公共施設だけでなく、一般家庭の玄関先の手洗いなどでも採用されるケースが増えています。